何年も使われることなく、部屋でほーっておかれた4x5のカメラ。
4インチx5インチの大きなフィルムに、東京の風景を撮ってみようかな。
2002年の春に思い立って、町に担いで出た。
さて、撮ったはいいが、プリントはどうしよう?うちの暗室は
ブローニーまでしか焼けない!ならばいっそ、デジタルでプリントしてしまえ。
2002年の晩秋、これまであった35mm専用のフィルム・スキャナーに加えて、
透過ユニット付きのフラット・ベットスキャナーが仲間入り。
引き伸ばし機は、隅に片付けられdigital dark roomの誕生。
てきとうに町を歩いて、スナップ写真を撮る感覚で4x5を使えたら。
歩き疲れたところで、知らない居酒屋に入って一人で打ち上げ。。。いいなー。
さて次は、どこの町を歩こうか。

1986年の4月、まだ発売されてまもなかったミノルタαー7000に
24mmと35〜70mmのレンズ2本を持って、旅に出た。
7月の終わりまでの4ヶ月近い旅行。なんの予定もなくただただ歩いた。
当時は写真を仕事にしているわけではなく、もちろんそんな技術も知識もなく
(今も変わらずか?)気ままにシャッターを押した。
あれから何年もたって、今でも好きな写真がいくつもある。
東京の写真をデジタルでプリントしようと思った時、このスペインとポルトガル
の写真もデジタルで、もう一度焼いてみようかと思った。
ネガをひっぱり出してきて、スキャン。ネガに付いたキズやゴミをとるために
パソコンのディスプレイに大きく大きく拡大していく。
撮影した当時に気付かなかった風景があらわれる。
被写体の女の子の遥か後ろを歩く人。サグラダ・ファミリアの無数の窓(穴?)
の一つから顔を出しているカップル。それらは35mmの小さなフィルムのなかでは
ホコリほどの大きさもない。
ファインダーを覗いている時には知ることのなかった被写体たち。
それに気付いて、スキャンしていた一週間ほどはパソコンのディスプレイの中で、
もう一度、旅をした。
